湿度が一定以上ある状態で、風通しが良くない場所に物を置いておくと表面がカビます。カビは表面を喰っているようで、こすってもとれません。カメラボディであれば機能には関係ないのですが、レンズだとモロに影響が出ます。一部が薄っすらとカビた程度では影響は少ないですが、広範囲であり、不透明だと鮮明な画像にはなりません。
実はこれまでカメラやレンズを防湿庫またはそれに似たもので保護したことはありませんでした。振り返れば、放置したカメラやレンズにカビが生えたことはありましたが、どうでもいい品物だったのであまり気にも留めませんでした。また、他の時期にカビが生え、慌ててクリーニングしたところ綺麗に除去できたこともあります。おそらく初期段階だったのでしょう。ラッキーでした。
必要なのかどうか
防湿庫や簡易防湿入れ物の必要性は実際どうなのか。カメラを持っている人が全員持っているわけではなく、かと言って10人に1人という少ない割合でもないようです。
ネットでそのあたりを検索すると、必要派といらない派の意見があり、それぞれ納得できます。それらをまとめるとおおよそ以下のようになります。
- 湿度60%付近以上であるとカビる
- 湿度30%から50%の範囲が保管に適したもの
- 湿度20%とか、低すぎる場合は悪影響がある
- 風通しが悪いとカビる
- 風通しの良いところに置き、数日毎に持ち出していれば防湿庫などは必要ない
- 関東など乾燥した地域では防湿庫は不要
- 北陸などの湿度80%以上となるところでは必要
- 空調の効いたマンションでは不要
- 機材をたくさん持っていて、ほぼ保管状態なら必要
私がこれまで行ってきたことですが、部屋置きでも定期的に清掃しながら持ち出していればカビは生えません。一方、そのまま放置しておくとカビます。
ということから、1週間以上放置、湿度が60%以上の状態が長時間続く、風通しが良くないという環境では防湿庫はあったほうが安心ということです。安心料といった意味合いもあります。
保存用タッパーと乾燥剤
まず初期費用がそれほどかからないということで保存用タッパーと乾燥剤の組み合わせで防湿システムをやってみました。使ったドンピシャのものが見つからないので参考にあげました。要は、パッキンで密封できる入れ物とシリカゲルの組み合わせです。
これが一番安価で確実ですが、デメリットは定期的にシリカゲルを取り出して乾燥させる手間がかかることです。
シリカゲルは天日干しとありますが、電子レンジの強で一分、それを表裏と2回ずつ行うのです。その時に受け皿の表面に水分が付着するのが確認できます。それがほぼ無くなったら完了です。
どれだけ出し入れするかにもよりますが、週に2,3回程度であれば2週間近くは湿度50%以下にできます。一ヵ月に一度しか開けないのであれば持つと予想します。しかし気が付かず、放置してしまった場合は周囲の湿度に近づくとすれば梅雨時期なんかはカビる可能性もありそうです。
このシステムが有効なのはカメラ一台とレンズ1,2本といった10リットルくらいのタッパーに入る範囲のものです。もっと大きい入れ物でも可能ですが、そうなるとシルカゲルも多く入れるか、乾燥頻度も多くなり管理が厄介です。
2種類の自動防湿庫
ここで言う自動防湿庫とは、メンテナンスをしなくてもいいという意味です。電源に接続しておけば自動で湿度を適正に保ってくれるというものです。
内容量は小型の20リットル台から大きいものでは人が入れるような物もあります。内容量はさておき、その防湿装置自体には大きく二つの方式があります。乾燥剤方式とペルチェ方式です。
乾燥剤方式というのはシリカゲルを使うものであり、自動切り替えによりシリカゲルを加熱して庫外に水分を放出し、庫内を除湿するというものです。一方のペルチェ方式というのは電流を流すと片方が加熱、他方が冷えるという原理を利用しています。
双方の構造は販売サイトを見ると説明がありますが、あまりピンときません。それより乾燥剤方式のほうが長寿命とあります。ペルチェ方式では5ないし10年とありますが、乾燥剤方式はその2倍あるようです。ペルチェの寿命は通算通電時間が元になっているようで、そう考えると使用状況によるのかなと想像します。数日に一度くらいしか扉を開けないのであれば通電時間は短いし、毎日頻繁に開ければ通電時間は長くなります。
では寿命が長ければ乾燥剤方式がベストかと思いきや、価格も2倍くらいです。ということでどっちを選ぶかは朧気ながら見えてきます。うまくいって10年は持てばいいや、という使い方ならペルチェ方式、末長く10,20年以上使いたいなら乾燥剤方式ということです。
これ以外の選択肢も、湿度表示がアナログかデジタルか、デザイン、大きさ、メーカーなど、いくつかあるので、一概には決めつけることはできませんが、選ぶ一つの目安内容です。
防湿庫を買った顛末
ここからは私自身の話なのであまり参考にならないかもしれません。
タッパー方式が手間なのでまずは防湿庫とはどんな使い心地なのかを知りたいので、まずは中古を考えました。フリマ、オークションに三千円台のがあったので購入しました。見た目はきれいだし、湿度もコントロールできるものですが、臭いがあります。乾燥剤方式はヒーターでシリカゲルを加熱して水分を庫外へ放出するのですが、加熱により臭いが出ました。庫内に顔を入れてクンクンすると同じ臭いです。何というか、かび、鄙びた、という臭いです。
どうでもいいものを物置に置くならいいけれど、カメラを入れてリビングに置くのでこれはいけません。安物買いのxxになりました。捨てるのも勿体ないので物置で殺虫剤などの保管庫に変身しました。
そういうことでタッパー方式に逆戻りです。
タッパーで暫く使っていましたが、自動防湿庫に未練があり、ネットを眺める日々が続きます。新品だとペルチェ方式であれば一万円くらいであります。乾燥剤方式ではその2倍です。
ある日、未使用品というのを見つけました。トリーハンというメーカーで30リットル台の乾燥剤方式、大手家電量販店での長期展示品ということです。型式から検索すると2012年あたりのメーカーカタログに出ている製品でした。外観は期待できないようですが、臭いがなく、普通に使えればいいわけです。これが1万ちょっと。早速購入しました。
臭いはなく、普通に動作しました。内心、未使用品だけどもし臭かったらどうしようかと心配しましたが普通の臭いでよかったです。ただ、ゴム足がやや白化しているのと、中棚の固定金具がありません。本当に普通の部屋での展示品かなと疑いましたが、全体の塗装劣化もあり、外光に曝されればそうなるのではと納得です。固定金具のほうはその分値引き返金してもらいました。金具は容易に自作できるので後日やろうと思います。
以下は様子です。ガラスに反射して絨毯などが写っていますが雰囲気はわかると思います。カメラはX-T4、レンズはXF16-55の一型です。余裕があります。下の段にはマウントアダプターやブロアーなどのメンテナンス用品、時計などを入れています。


レビュー
電気的なセンサーで湿度を検知しているのではなく、形状記憶金属だったかの何か(?)で制御しています。大雑把に言うと、設定ダイアルはどこまで湿度が上がったら乾燥剤のヒーターをONするかという感じです。
大体±5%には入っています。30から50%がカメラに良い湿度ということで現在40から50未満をメーターは示しています。開け閉めして50%を越えるようになるとヒーター電源が入っています。いちいち電子レンジでチンしなくてもいいのは楽です。


使ってみて感じたのは以下の通りです。
- 庫内の状態を気にしなくて済む
- 扉を手前に引くだけで開き、閉じるのも同様。タッパーみたいな手間はない
- 中棚があり、タッパーより容量が大きいので時計やマウントアダプターなども入る
- タッパーより見た目が良い
- 中のカメラが見えるので何となく嬉しい
- カメラが定位置にあるのはわかりやすい
- 長期出張などでも湿度管理面で安心
- 埃や虫が入らない
湿度調整ダイアルは角度で30度変えると5%くらい変化するようです。上の写真では50%を示していますが、これから何度か微調整して現在は40%から50%未満にしてあります。
工具でもなんでも位置が決まっているというのは気持ちがいいものです。それに埃がかからないのも嬉しいです。リビングの床はよく観察すると割と、埃や髪などが多いです。特にこういう家具を置くとそこに集まります。
現在は5月の割とカラッとした季節で、湿度も50%から70%あたりです。これからの梅雨になると90%なんていうこともあるので庫内が低湿度であるというのは心強いです。なくてもいいけど、あれば安心で便利というこの防湿庫、おすすめです。
以下は現在売ってる防湿庫の参考品です。小型なら大体3万円台からのようです。

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